2012年7月号は すみれちゃんをご紹介です♪ |
「ベンお姉ちゃんの時と一緒だね♪」 お花をバックにご機嫌の すみれちゃんです☆ |
◆今月は、飼い主さんの青木さんに、すみれちゃんのお話しをして頂きました♪
すみれとの出会いは、インターネットにのっていた里親募集の写真でした。
それまでは、最愛の娘だったベンヤミン (キャットワン仲間2002年11月号でご紹介)を失い、もう二度とあのつらい別れはできないと思っていました。
三年前、「犬を飼うなら保護犬を」 という知人がいたので、協力してあちこちの里親募集サイトを見ていました。
そのうち、「どうして、うちのベンちゃんがここに?」 というほどそっくりな犬の写真を見つけたのです。 偶然の出会いでした。
きっと、いつまでも喪失感を抱えたままの両親を見かねて、ベンちゃんが〈妹〉として、すみれとの出会いをプレゼントしてくれたのでしょう。
すみれがわが家に来たのは2009年5月。 毎年5月15日に催される葵祭を見物するため京都に行く予定でしたが、急きょ取りやめ、すみれとの生活が始まりました。
年齢は推定2~3歳とのことでしたが、女の子なので若い方の2歳とし、葵祭の5月15日を誕生日に決めました。
つまり、今は5歳の熟女。 色気むんむん……とは程遠く、なんてったって花より団子!です。
食べ物に好き嫌いはなく、食卓に並んだ私たちの食事をチラチラと見たりもしますが(基本的にあげません)、お姉ちゃま(ベンちゃん)の仏壇に供えた食べ物には決して手を出しません。
うちに来た当初は、ふと見ると仏壇に向かって座っていましたから、何かお話していたのかもしれません。 歩き方からため息のつき方まで、日に日に似てくるから不思議です。
すみれは、ほとんどの人や犬と上手に挨拶ができます。 無駄吠えや要求吠えはなく、性格は温厚で、甘えん坊ですが手のかからない優等生です。
ただ、お友だちの犬と絡んだり、オモチャに夢中になるなど、遊ぶことを知りませんでした。 嫌いとか苦手とかではなく、遊んだ経験がなかったようです。
ぬいぐるみやロープにはまったく興味を示しません。 押すと音が鳴るオモチャは、音が出るところを徹底的に噛んですぐに壊してしまいます。
そこで壊れにくいゴム製のオモチャを用意し、中にオヤツを入れてみました。 食いしん坊ですから、興味津々です。
「あっ!? そのオモチャは!?」
最初は中身を食べるだけ。 でも、そのうち、ゴムが弾むのがおもしろくなり、大のお気に入りになり、オヤツを入れなくても手放さなく(口放さなく?)なりました。
家族が帰宅してうれしい時は、尻尾を振り振り、口に咥えてお出迎えです。 咥えるのを忘れると、おっといけない! と慌てて部屋の中まで取りに戻ります。
少し高揚した気分の時は、私たちに投げてってねだり、それを飛び跳ねて取りに行くなど、ボール代わりのオモチャとして遊びます。
不満がある時にも使います。 すみれ曰く、「お留守番は1日1回だけにして」 ということなのでしょう。
私が2度目の外出をして帰宅すると、出迎えた すみれがゴムのオモチャをポイと玄関の三和土に放り投げてしまいます。
「あーっ!」 と叫んで拾い上げている間に、すみれはとっとと部屋の中に逃げています。
こんなちゃっかりした一面があり、いつもにこやかではありますが、満面の笑みを見せてくれるまでには、家に来てから10ヶ月近くかかりました。 今はもちろん笑顔、笑顔です。
「笑顔でみんなを幸せにするの♪」
散歩中、良い子で信号待ちができた時のご褒美とか、お友だちと仲よくできたご褒美とか、はたまた通りすがりの人に、「可愛い」 となぜてもらったご褒美(?)にも、オヤツがもらえそうな機会を逃さず、効果的に満面の笑み作戦を使います。
両親を口説くには、笑顔が一番だとわかってしまったのでしょうね。
ちょっと意外だったのは、幼い子どもさんが泣いていると、自分から近づいて慰めます。
お子さんが喜んで、あるいは意表をつかれて泣き止むと、くるりとこちらに向きを変えてご褒美ねだりの笑顔です。
昨年の3.11の地震ですが、すみれは一人でお留守番でした。 おそらく2階にいて、あの大きな揺れに耐えたのでしょう。 30分ほどあとで急いで帰宅すると、すみれは私のベッドでガタガタ震えていました。
よほど恐ろしかったらしく、以来、どうしても2階に上がろうとしません。 その後も余震のたびに震え、また、吐くなどPTSDも見られました。
うちは寝室が2階ですが、心細いだろうと、夜は狭い茶の間に布団を敷いて一緒に寝ています。 12~3㎏の体で布団の大半を占領することもありますが、そんなことも含めて、家族を幸せにしてくれています。
すみれへのお願いはただひとつ。 「元気で長生きしてね」
以上が、青木さんによる、すみれちゃんのご紹介でした☆
そんな青木さん宅にお世話に伺うと、一度、玄関にきてくれる すみれちゃんですが、パパとママではないとわかると、奥へと行ってしまいます。
お部屋のはじから少し距離を置いてこちらを伺っているのですが、オヤツを手に持つと 一変!! シッポをフリフリして近付き、笑顔でオヤツのおねだりです☆
「待ってました☆ そうこなくっちゃ♪」
オヤツを食べて、ご機嫌になったところでお散歩にでかけると、行きつけの近くにある大学のキャンパスへ!
広い校内を楽しそうに歩いて いると、時々、「オヤツをちょうだい☆」 と、かわいい笑顔で見上げてくれる すみれちゃんです♪
「土の上のお散歩は楽しいね♪」