2005年4月号は ミミちゃん・ナナちゃん・チロくんをご紹介です♪ |
みんなそれぞれ幸せな日々を送っています♪ ミミちゃんもきっと! |
今から15年前の4月。 雨が降る日曜日の午前中のこと。 ご主人の同僚の方が突然、娘さんと一緒に籐のバスケットを持って山本家を訪ねてきました。 バスケットを開けると勢い良く、“シャム猫” が飛び出し、サイドボードの上に飛び乗りました。 それが、山本さんとミミちゃんとの初めてのご対面となります。
猫を引き取って欲しいという話を聞いてはいたそうですが、“ペルシャ猫” と聞いていたし、引き受けをOKした訳ではなかったので、 「あまりにも突然の事でビックリでした」 と山本さん。 その同僚の方も仕事関係の方から、「転勤で飼えなくなった」 と言う理由で引き 受けたらしいのですが、住む場所が転々と変わったせいか、子供が苦手だったのか、毎日押し入れに入ってしまい猫の姿を見たことが なかったと言う有様でした。
そのような話を聞き、警戒心の強いその子が山本さんのお家でも押入れから出てこないようなことが続けば、かわいそうでも情が出ないうちに保健所に・・・とも一瞬考えたそうです。 しかし山本さんご夫婦とは通じるところが合ったようで、警戒しながらも翌日には体を触らせてくれるようになりました!
山本さん宅では、子供に悪戯される心配もありませんでしたし、昼間はお留守(ご夫婦共に働いていて)になるので安心できたのか、日に日に馴れてきて、しだいにミミちゃんは山本家の子になっていくのでした♪
その半年後、広いお家にお引っ越しをしたのをきっかけに、ミミちゃんは山本さんと一緒に眠るようにもなりました。 山本さんが出かけると、かなり遠くまでミミちゃんの鳴声が聞こえ、帰宅するとやはり遠くにいても鳴声でミミちゃんが山本さんを出迎えてくれていることがわかったそうです。
「とっても賢い子でした。」 と山本さん。 鰹節が大好きで食欲が落ちると鰹節をかけてあげていました。 姿が見えない時は鰹節の袋 を出すとその音で姿を現しました。 ブラシも大好きで、「ブラシ」 と言うと何処からともなく現れるミミちゃん。 なかなか終の 棲家が見つからず回りまわってようやくたどり着いた山本家で幸せな暮らしを手に入れることができたのです!
しかし、そんなミミちゃんにも晩年、苦しい闘病生活が待ち受けていました・・・。
その2ヶ月ほど前の健康診断では異常はなかったのですが、ある日から食欲がなくなり病院へ連れて行くと、「腎臓病」 と告げられます。
何度か入退院を繰り返し、自宅では毎日点滴をしなければならず、お医者さんでも看護士さんでもない山本さんが毎日点滴をすることはかなりのストレスだったそうです。
そして何より、その痛みをこらえるミミちゃんはさらに辛い思いを・・・。 この病気との闘いは、山本さんにとってもミミちゃんにとっても、とても苦しいものとなりました。
そしてとうとうミミちゃんとのお別れの日がやってきてしまいます。 最後は山本さんを悲しませたくなかったのでしょう、ミミちゃん は山本さんがご不在の時にどこかに身を隠してから旅立とうと考えてか、歩けない体でもソファの上からおりたところで息絶えていたそうです。 「本当にミミがいなければ我が家の他の子供たちにも会うことはなかったのでミミには感謝しています。」 とおっしゃる山本さんです。
私たちがお世話に伺った時は、初め少し警戒していたミミちゃんでしたが、徐々に馴れてくると、ブラッシングでとっても気持ち良さそうにしてくれました!
「いい気持ちだニャ~♪」
よくソファでくつろいでいたので、お伺いすると今でもミミちゃんが休んでいるような気がしてしまいます・・・。
闘病時にも微力ながらお手伝いさせて頂きましたが、本当にミミちゃんも山本さんも頑張っていらっしゃったと思います。 ペットシッターとしてかけがえのない貴重な経験をさせてもらったミミちゃんには感謝の気持ちで一杯です。
ミミちゃんのシャンプーをお願いしていたペットショップでヒマラヤンのことを訪ねると即ヒマラヤンが山本家にやってきました。 3ヶ月でとても可愛い時期でしたが、このことでミミちゃんがストレスを受け病気になってしまいました。 ナナちゃんもまもなく真菌の皮膚病にかかり、ライオンカットにして治療が始まりました。
ナナちゃんは自分が猫だと思ってないのか猫が好きではないそうです。 長毛種なのにブラシが大嫌いでよく毛玉で大変な思いをしたそうですが、不在の時、ホテルに預け帰宅すると段々なつっこい子になり今ではブラシッシングが大好きになりました!
ナナちゃんは病院へ行ったりする時にも鳴いたりしないとってもおとなしい子です。 生まれ育った環境がかなり影響するのか性格はおっとりですが、病院では何故かキツイと言われてしまうそうです。
そして、最後に山本さん宅にやってきたのがチロくんです。 チロくんは老人ホームに入る方から、「飼えないから・・・」 と言われて山本家に里子としてやってきました。
去勢手術が済でいるにもかかわらず山本さん宅に来るという事で一時的に動物病院へ預けられ、そこでなんと “避妊手術” をされてしまったそうです・・・。 しかし手術中に男の子だと言うことが発覚!? おかげで2度も手術をしてしまったかわいそうなチロくんなの です。
動物病院にいたのにもかかわらず山本さん宅に着た時には耳の中が汚く、結局、「耳の治療」 からスタート。 ですが、チロくんが仲間入りしたことで今度はナナちゃんが病気になってしまいます。 そんな経験から、「やはり猫には仲間は必要ないな・・・」 と感じたそうです。
とても甘えん坊で臆病なチロくん。 インターホンが鳴ればすぐに隠れてしまいます。 今ではそのようなことも少なくなったそうですが、「猫にとっては環境が第一なのがよくわかります」 と山本さん。 いびきもかくし、のびのびして寝ているし、本当にこの子は今では幸せな子だと感じているそうです。
しかしミミちゃんといつも寄り添っていたので、ミミちゃんがいなくなったショックは大きいらしく、今ではいつも山本さんと寝ているそうです。
(ミ)「寄り添ってというより枕にしてない?」
よく食べるので他の子の食事も皆食べてしまいどんどん太り最高7キロ・・・。 最近6.4キロと少し痩せたのですがやはりかなりの体重です。 夜中にゴハンのおねだりで何度も起こされてしまい、「はっきり言って迷惑!」 と山本さん。
ですが、先日風邪をひいた のか食欲がなくおとなしくなったときには心配ですぐさま病院へ。 しかし、幸いどこも異常はなく、また元気なチロくんに戻りました!
そんなナナちゃんとチロくんのお世話に伺うと、いつも二人でお出迎えしてくれます!
とっても甘えん坊のチロくんはスリスリと甘えてくれ、ナナちゃんはボールやひもで遊ぶのが大好きで、お部屋の中を走り回って一緒に遊んでくれます☆
「真剣白刃取りニャ!」
ナナちゃんとチロくんが玄関先で待っていてくれるのは、お仕事から疲れて帰宅した山本さんにとっても、ホッとする瞬間だそうです。
「我が家の子供たちは高齢になりましたが、いつまでも長く健康でいてほしいと願っています」 と山本さん。 ペットも生き物で生きる権利があるのですから、家族である以上よりよい空間を作っていきたいと思っているそうです。